お知らせ


2012年1月31日火曜日

<新入荷>江戸中期、古伊万里、花唐草7寸皿、他いろいろ


いつもブログをご覧頂きましてありがとうございます。

今朝、吉祥寺PukuPuku西公園前店のすぐ近くのお宅の蝋梅(ロウバイ)が、真冬に満開の花を咲かせている様子に、しばし足を止めて見入ってしまいました。

蝋梅は中国原産の落葉樹で、日本には17世紀頃に導入されたと言われています。

また、ロウバイの名前は花の色が蜜蝋(みつろう)に似ているからとか、花の質感がろう細工のようだからとか諸説があるようです。

学名のキモナンサスはギリシア語で「冬の花」を意味するそうです。



身に沁みる寒さが続きますが、皆様、お風邪など召されませんよう、お身体をお大事になさってくださいね。

それでは本日も新入荷のお品物をご紹介いたします!

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・花唐草7寸皿 1客 15,000円
(江戸中期) 
径約21,5cm・高さ約3cm
※完売しました

本日最初に御紹介の品物は、前回に特集しました、タコ唐草と人気を二分する、花唐草の染付の7寸皿です。

花唐草は高嶺の花と思われますが、今回、御紹介のものは、価格的にはリーズナブルと思います。




表面は、〝やや力強い”花唐草の図柄が周囲をめぐり、中央には古伊万里ではおなじみの五弁花を配しております。


裏面の周囲をめぐる唐草も、古伊万里独特のものです。


時代的には、江戸中期の1700年代の前半頃のものと思われます。

1700年代の前半頃といえば、1716年に徳川吉宗が8代将軍に就任すると、第6代将軍・徳川家宣時代からの側用人であった間部詮房新井白石を罷免し、側用人政治から将軍親政に復し、また、紀州藩主としての藩政の経験を活かし、水野忠之老中に任命して財政再建を始めた時代です。(享保の改革)


吉宗は好奇心の強い性格で、キリスト教関連以外の書物に限り、洋書の輸入を解禁とし、長崎を中心に蘭学ブームが起こりました。

さらに享保13年(1728年)6月には、自ら注文してベトナムから象を輸入し、長崎から江戸まで陸路で運ばせ、江戸に象ブームが巻き起こったといいます。



 


縁は輪花になり、やや端反った造りとなっております。



先に〝やや力強い”花唐草、と申しましたのは、力強さが魅力なのはタコ唐草であり、本来、花唐草は優雅さがその魅力です。

ただその様な花唐草が描かれた上手のものは、もう少し古い、1600年末頃のものです。

それらは現在でも、非常に高価で、使用するには躊躇してしまうお値段だと思います。

ちなみに、バブル期には、業者の市場(オークション)で、その手の7寸皿だと5枚セットで100万円でも買えなかったそうです。(小売りはそれ以上です…。)



景気の悪いなか、古伊万里も相場が本当に安くなっている今ですので、お求め易いお値段になっていると思います。


また、私の個人的な感想ですが、料理映えがするのは、その力強さゆえ、タコ唐草の方が上であり、花唐草は観賞、あるいは繊細なお料理向きだと思います。

こちらの花唐草のお皿、逆に色々なお料理と相性は良いのかもしれません。

花唐草をお探しの方、是非、この機会をお見逃しなきよう、おすすめいたします。

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・染付見込みシダ図6寸皿 5客セット(状態の良いもの) 48,000円 
※バラ売り有 1客 9,500円
(江戸中期) 
径約18,5cm・高さ約3cm
※5客組は完売しました

同じく、江戸中期の染付の、先の花唐草より気持ち径の小さい皿が入荷いたしました。

細やかな描き込みが施され、とても上品なお品物です。



天地を気にせず、お使い頂ける文様構成です。


見込みにはシダの葉が放射状に描かれておりますが、シダの葉とシダの葉の間の素地の白色部分に着目すると、何かのマークのようにも見え、強く目を引かれて面白いです。


立ち上がりは浅く、また縁部は輪花で、程よく厚みを持った造りになっており、存在感を引き立たせております。


表側面にはふんわりと撫子(なでしこ)の花でしょうか。

その周囲は柔らかな線で埋め尽くされており、優しげな印象を添えております。
線と面で構成された隙の無い文様と呉須のグラデーションがとてもきれいです。


裏面には「富貴長春」、上手の品として、目を立てて焼いた跡があります。

裏側面には二重線にダミ埋めされた唐草文様が描かれております。

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・染付竹と桃図なます皿 5客セット(状態の良いもの) 17,500円 
※バラ売り有 1客 3,500円
(江戸中期) 
径約14cm・高さ約3,5cm
※完売しました

同じく時代は江戸中期の染付、なます皿が入荷いたしました。


縁部は輪花で、端反った造りになっております。


見込みには五弁花、側面には竹と、竹が十字に交差した先に桃の実でしょうか。


竹と桃という面白い組み合わせです。

竹は、松、梅とともに冬の寒さに耐える歳寒三友の一つとして、中国で古くから愛され、日本にも伝わり、竹文様は、松、梅とともに吉祥文の一つとして広く親しまれています。

また桃の実は長寿を示す吉祥図案です。


裏側面には流れるような線で唐草文様が描かれております。

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・陽刻に染付尺皿 フリモノ有 9,500円※完売しました
(江戸後期) 
径約30cm・高さ約5.5cm

本日最後に御紹介の品物は、江戸時代は後期、天明寛政期(1781~1789)の尺皿です。



表面が陽刻と染付による装飾、裏面はごくシンプル、という天明寛政期の典型的な造りであり、同じような造りで五寸皿、なます皿、向付等見かけます。

天明寛政期は伊万里の造り込みが良くなり、手が上がる時代です。



縁は鍔縁(つばぶち)の造りとなっております。

このように口紅が施されると、全体の雰囲気が引き締まって見えます。



表面、見込み中央部を除いた周囲の画面が10分割され、2種の文様を交互に配しております。


ひとつは扇が上下に二面、下側は日の丸の扇面です。


こちらは熨斗でしょうか。


見込み中央部には何やら個性的な文様が染付で表され、存在感をぐっと際立させております。


残念ながら、フリモノが2ケ所あり、そのためにお値段がお安くなっております。



フリモノは窯壁や窯道具や薪の灰などによって、表面に黒点や極小さい突起がある状態で焼けたもののことをいいます。

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以上、お品物のご紹介でした。

いつもブログをご覧頂きましてありがとうございます。
次の更新は2月3日(金)となります。

今後も話題豊富に新入荷のお品物をいち早くご紹介してまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。


2012年1月27日金曜日

<新入荷>タコ唐草大皿・図変わり印判小皿・向付・銅印判6寸皿


いつもブログをご覧頂きましてありがとうございます。

今朝、ツバキの花がふと目に留まりました。

ツバキといえば、権力者の庇護をうけて、武士、町人に愛された花です。

徳川幕府が開かれると、江戸に多くの神社、寺院、武家屋敷が建設され、それにともない、多くの庭園が営まれ、ツバキも植栽されていきました。


ことに徳川秀忠が吹上御殿に花畑を作り、多くのツバキを含む名花を献上させたそうです。


「寒椿」「冬椿」は冬の季語ですが、「花椿」は春の季語でございます。

残雪残る、寒さ厳しい日々ですが、くれぐれも皆様、お身体をお大事になさってくださいね。

それでは本日も新入荷のお品物をご紹介いたします!
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・タコ唐草大皿    120,000円 
 (江戸幕末) 
径約40cm・高さ約9cm

※完売しました
さて、本日、最初に御紹介の品物は、江戸幕末期の伊万里焼のタコ唐草の大皿です。

縁が立ち上がっており、深さもある事から、浅鉢と称した方が良いのかもしれません。


表面は、江戸幕末期独特の線描きの様なタコ唐草ですが、細密で、ていねいな描き込みで施され、とても上品な印象を受けます。



裏面は、打って変わり、非常に力強い印象を受ける唐草模様です。

江戸中期のタコ唐草に描かれる様な、二重線にダミを入れた唐草が、皿の周囲の全面を覆っています。

通常ですと、大皿の裏描きは、お料理を盛り付けた時、見えない部分ですので、シンプルな唐草等の描き込みが有る程度なのですが、こちらは、浅くても鉢という意識があったのか、裏表にびっしりと描き込みがなされた重厚な出来のものになっております。



縁部も、鉢の様に厚みを持った造りになっており、存在感を引き立たせております。



お値段もそこそこしてしまいますが、染付の発色等のアガリも良く、ここまでの描き込みのものは、あまり出て来ないと思いますので、大変おすすめな一品でございます。

サイズも大きすぎず、小さすぎず、丁度良い位だと思います。
飾られても、インパクトの有るものと思いますが、是非、お料理を盛り付けて、楽しんで頂きたく思います。
お料理映えすること間違いなしの器だと思います。

御自慢のお料理に腕を振るわれてはいかがでしょうか。

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タコ唐草は大変お料理映えする模様として、人気も高く、当店でもおすすめしております。

先の品物は、やや高額ですが、お手を取りやすい価格のものとして、下記の品々を、現在、店頭にて取り揃えております。




・タコ唐草猪口 1客 5,500円 
(江戸幕末) 
径約7cm・高さ約5,5cm


・タコ唐草向付 1客 3,800円 
(江戸幕末) 
径約8,5cm・高さ約6cm


・タコ唐草小皿 1客 2,500円 
(江戸幕末) 
径約11cm・高さ約2,5cm


・タコ唐草なます皿 1客 3,800円 
 (江戸幕末) 
径約14,5cm・高さ約4cm


・タコ唐草なます皿 1客 3,800円 
 (江戸幕末) 
径約15,5cm・高さ約5cm


・タコ唐草なます皿 1客 3,300円 
 (明治前期) 
径約14,5cm・高さ約4,5cm

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・銅印判白鳥図小皿    1客 800円 
(明治後期~大正) 
径約11cm・高さ約2,5cm
※完売しました
図変わりの印判小皿が入荷いたしました!

 
白鳥は、カモ科の7種の水鳥の総称で、シベリアやオホーツク海沿岸で繁殖し、冬季は温暖な日本などに渡って越冬する大型の渡り鳥です。


動きのある面白い構図ですね。

つがいの白鳥でしょうか。


白鳥といえば、「優雅に泳ぐ白鳥も水面下では激しく足を動かしている」というフレーズが、漫画『巨人の星』で作中の人物の台詞として語られた事から有名になっておりますが、これは作者による創作であり、実際にはそれほど激しく足を動かしている訳ではないようです。

実際に、白鳥が水面に浮かぶ原理は、白鳥を含む水鳥には尻に油脂腺というものがあり、そこから分泌される油を羽繕いで羽に塗りつけ、撥水性を持たせることによって、羽毛の間に空気を溜められるようになり、それが浮き袋の役目を果たしているそうです。

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・花咲じいさん図筒向付 1客 1,500円 
 (明治後期~大正) 
径約6cm・高さ約7cm
※完売しました

かの有名な日本の昔話、『花咲じいさん』。

子供の頃、何度も絵本を読み返した方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


いいお顔ですね。

眺めていると、運気が上がりそうです。


筒向付の中で花を咲かせております。 

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・銅印判枝と実の図6寸皿1客 900円
(明治後期~大正) 
径約18cm・高さ約4,5cm
※完売しました

可愛い6寸皿が入荷いたしました。



表面素地はネジ型の陽刻で花びら状に造ってあります。

お料理映えするような文様の配置です。 

施された繊細な枝と実の顔料の発色が一点ずつ異なります。


高台がしっかり1cmは取ってありますので、使い勝手もよく、優雅です。
ケーキ皿にいかがでしょうか。


裏面には枝と実がさらに続き、それをついばみに来たのでしょうか、鳥が仲良く2羽飛んでいます。
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以上、お品物のご紹介でした。

いつもブログをご覧頂きましてありがとうございます。
次の更新は31日(火)となります。

今後も話題豊富に新入荷のお品物をいち早くご紹介してまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。


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